トランプ米大統領は7月26日、WTO(世界貿易機関)に対して中韓などの国が「途上国優遇」を受けている現状を問題視し、優遇制度を見直すよう要求しました。
貿易紛争が続く中国に対する動きとみられていますが、
韓国は日本の「半導体素材3品目の輸出管理の厳格化(優遇措置の撤廃)」に対して猛反発し、アメリカに泣きつくように仲裁を要求した背景があるだけに、アメリカからも優遇撤廃を突き付けられて、韓国経済は今後さらに面白い大変なことになりそうです。
中韓などの「途上国優遇」見直しを要求
トランプ米大統領は7月26日、中国や韓国などが発展途上国として優遇措置を受けるのは不公正だと主張し、WTOに制度を見直すよう要求しました。
【ワシントン共同】トランプ米大統領は26日、世界貿易機関(WTO)で中国や韓国などが発展途上国として優遇措置を受けるのは不公正だと主張し、WTOが制度を見直すよう米通商代表部(USTR)に取り組みを指示した。90日以内に進展しなければ、米国として独自に途上国扱いをやめる方針。30日から中国・上海で開く米中閣僚級貿易協議で議題に上る可能性がある。
引用:Yahooニュース
自身のTwitterでも次のように不満を表しています。
世界で最も豊かな国々がWTOの規則を回避して、特別扱いを受けるために発展途上国と申告している。WTOは壊れている。
The WTO is BROKEN when the world’s RICHEST countries claim to be developing countries to avoid WTO rules and get special treatment. NO more!!! Today I directed the U.S. Trade Representative to take action so that countries stop CHEATING the system at the expense of the USA!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) July 26, 2019
発展途上国の優遇措置の内容とは?
問題視されている「途上国優遇」とはどのようなものでしょうか。
国家間の貿易では通常「関税」がかかります。
関税とは、海外から物を輸入する際にかかる税金のことで、価格の安い海外製が売れて自国の製品が売れなくなることを防ぎ、輸入品と国産の価格バランスを保つために設けられている税金のことです。
関税は海外から輸入する人や企業が国に対して支払います。
しかし、WTOに加盟し発展途上国として認定されれば「関税」が「減税・免税」される優遇措置を受けることができるのです。
つまり日韓たとえると、
韓国視点で見ると、関税が安いので日本にたくさん製品を買ってもらえるため、自国の利益が増えることになります。
日本視点で見ると、韓国から輸入すると関税が安いため自国の税収が減ることになります。
もし韓国が途上国優遇を受けられなくなると、関税がかかるため輸入価格が上がり物が売れなくなってしまいます。そのため価格を下げるなどの対応が必要になってきます。
必然的に輸出に対する利益が減ることになります。
最後に
個人的には、中国や韓国が「発展途上国」というのはすごく違和感を感じます。
時には先進国であることを主張し、途上国優遇の恩恵も当然のように要求する。そんなことは認められません。
途上国優遇が撤廃されると特に韓国経済はより大変なことになるでしょう。
半導体素材3品目の優遇撤廃だけで騒いでいる場合ではありません。
日本の「ホワイト国除外」に加えて「途上国優遇の除外」も加われば、「原料は手に入らない」「作っても物は売れない」という状況に陥るでしょう。
日本に対する不買運動や国際社会への訴えなどの強気な対応を、アメリカに対してもするのか注目です。次はどこに仲裁を泣きつくのでしょうか。
以上