【台風19号】福島県のメッキ工場から再び有毒物質が流出。原因の工場と健康への影響は?

台風19号が東日本を中心に大きな被害が出ていますが、福島県のメッキ工場から有毒物質が流出しています。

工場の近くに位置する阿武隈川の氾濫で、メッキ工場から猛毒のシアン化ナトリウム(青酸ソーダ)が流出しています。

工場外の側溝から排出基準の150倍超が検出されています。

流出したシアン化ナトリウム(青酸ソーダ)、流出元の工場、人体への影響をまとめていきます。

 

流出したシアン化ナトリウム(青酸ソーダ)とは?

流出した有害物質の名前は「シアン化ナトリウム(青酸ソーダ)」と呼ばれる物質です。

金や銀を溶かす作用があり、主にメッキで使用される物質です。

粉末上の物質で、水やアルコールによく溶け、無臭の物質となっています。

水と反応すると「青酸ガス」を発生し、人体に影響を与えます。

 

人体への影響

シアン化ナトリウム(青酸ソーダ)は猛毒物質であり、体内に入ると死に至る場合もあります。

詳しい症状は以下の通り

脊椎動物がこの物質を摂取するとシアン化物イオンがヘモグロビンの鉄イオンに配位して細胞呼吸を阻害し、さらには細菌以上の動物ミトコンドリアのシトクロム酸化酵素 (COX) 複合体と結合・封鎖し、電子伝達系を阻害することでATP生産量を低下させ細胞死を引き起こすとされる。この点で植物ミトコンドリアはシアン耐性経路であるAOX酵素 (alternative oxidase) を備えるため耐性を持つ。

毒物及び劇物取締法で毒物に指定されている。経口致死量は成人の場合 200~300 mg/人 と推定されている。

wikipedia「シアン化ナトリウム

 

摂取すると体内の細胞が死んでいき、200mg程度接種すると死に至るため、注意しなくては行けません。

 

現状、今回の事故での健康被害はまだ出ていません

 

今回流出した原因の工場とは?

今回流出元となった工場は「サンビックス」という会社で、会社の所有する第2工場から流出しています。

流出の原因は、阿武隈川の氾濫による浸水被害によるものです。

第2工場から約350m離れた位置に阿武隈川が流れており、氾濫した場合には即座に浸水する場所に位置しています。

浸水によって工場の廃液槽から漏えいした可能性があるとのことで、現在も調査が行われています。

 

社名 サンビックス
業種 メッキ加工
住所 〒963-8061 福島県郡山市富久山町福原上台1

 

16日に福島県の同市で同じ事故が発生している

16日、福島県郡山市に位置する、株式会社エム・ティ・アイ(同市)の工場から有毒のシアン化ナトリウムが流出しています。

基準値を40倍以上超えるシアン化ナトリウムが検出されていますが、健康被害等は出ていません。

 

流出の原因は台風19号による浸水被害とみられています。

 

阿武隈川の特徴

氾濫があった阿武隈川には、増水時にはあふれやすく洪水被害の絶えない暴れ川として有名です。

過去にも、1986年に台風による増水で大規模な洪水が起こっているほか、2011年には東日本大震災の津波の逆流により大規模な海嘯が発生しています。

福島県から宮城県にまたがる一級河川となっています。

 

台風19号は事前に大規模と分かっていたため、阿武隈川が氾濫することは十分考えられました。

 

最後に

福島県の同市で同じ被害が同じ原因で起きています。

流出した物質は猛毒で、水と反応するとガスが発生します。

 

近くに住んでいる方は十分注意が必要ですし、必要に応じて避難も視野に入れておかなくてはいけません。

 

台風の事故に対しては最悪の場合を想定して事前に動くことが必要となってきています。

 

 

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