不当関税のWTO紛争で「日本が勝訴」、なぜか韓国も勝訴主張 是正拒否の場合は対抗措置へ

2019-09-11

WTO(世界貿易機関)で2016年から争われていた「韓国が日本製空気圧バルブの輸入に不当な追加関税を課した」問題で、上級委員会(WTOの最終審)は日本の主張を認める判決を下しました。

これにより「日本の勝訴」が確定した形となりました。

ただなぜか韓国側も「韓国が勝訴」と大体的に報道しています。

貿易紛争の判決内容と日韓双方の主張についてまとめます。

日本バルブへの不当関税のWTO紛争で「日本が勝訴」

日本では次のように報じられています。

 日本政府は11日未明、世界貿易機関(WTO、本部=スイス・ジュネーブ)が10日(現地時間)、韓国による産業用バルブへの反ダンピング(不当廉売)課税は不当として日本が提訴していた問題で、韓国側のWTO協定違反を認定し、是正を勧告したと発表した。WTOの紛争処理の最終審にあたる上級委員会が最終判断の報告書を公表し、日本側の勝訴が確定した。これを受け、日本政府は韓国側に早急に課税措置の撤回を求める。

 1審に続き日本の勝訴となった。11日、世耕弘成経済産業相は「韓国にWTO協定に整合しない措置の誠実かつ速やかな是正を求めていく」とのコメントを発表した。韓国側が勧告を履行しない場合、日本はWTO協定に従って、対抗措置を発動することができる。

出典:産経新聞

 韓国が日本製バルブに不当に関税を課しているとして、日本は韓国をWTO(世界貿易機関)に提訴し、10日に勝訴しました。しかし、韓国側は「大部分で勝訴した」と主張していて、双方の主張は食い違っています。

 日本は2016年、韓国が日本製バルブに不当に追加関税を課しているとして、WTOに提訴していました。WTOは10日、日本側の訴えをおおむね認める報告書を発表したことから、日本は「WTOが我が国の主張を認め、韓国に是正を勧告した」と表明しました。しかし、韓国政府は「ほとんどの実質的争点で韓国の違反が立証されず、大部分は勝訴した」として、日本と同じ「勝訴」の立場を主張しました。

出典:テレ朝news

 

韓国では「韓国が勝訴」と報じられる

総合ニュース

「また勝った」韓国、日本と空気圧バルブWTO紛争で「判定勝ち」

日本産空気圧送信用バルブの韓国と日本の貿易紛争で韓国が判定勝ちをおさめた

11日、産業通商資源部によると、WTO上訴機構は、過去10日(現地時間)に公開した報告書で、韓国が日本産空気圧バルブに関税を賦課した措置について、ほとんどの実質的な争点でWTO協定違反性が立証されなかった判定した。

日本は韓国の措置が不当だと2016年3月WTOに提訴した1審パネルはダンピングによる価格効果と物量効果など実体的争点9のうち8つのに対して、韓国に勝訴判定を下した

結果的に韓国は実体的争点の部分では、9つのうち8つの分野で勝訴したものである。

WTOでこれまで韓国と日本が行った紛争は、すべての6件であり、詳細な事案では、勝敗が分かれることがあるが、総合的に見れば、韓国がすべて勝った

引用:総合ニュース

 

上級委員会報告書の判断概要

経済産業省の公式ページで公開されています。

上級委員会報告書の判断概要

(1)上級委員会は、下記の日本の主張を受け入れ、韓国によるアンチダンピング課税は以下の点でアンチダンピング協定に違反すると認定し、韓国に対して同国のとる措置をアンチダンピング協定に適合させるよう勧告しました。

①ダンピングによる損害を認定する前提として、日本製品の輸入が韓国産バルブの価格低下圧力をもたらしたのか、適切な説明がなく、アンチダンピング協定第3.1条及び第3.2条(ダンピング輸入による価格効果の立証)に違反する。

(ア)日本製バルブは韓国産より高価・高機能であり、そもそも両者の価格が比較可能かどうか、適切な説明がない。
(イ)韓国産より高価な日本製品の輸入が、元々安い韓国製品の価格にさらに低下圧力をもたらすことの説明が不十分。

②本件措置は、秘密情報の取扱いに不備があり、アンチダンピング協定第6.5条及び第6.5.1条に整合しない。

(2)また、上級委員会は、下記を含むその他の論点に関して、協定整合性の判断を回避したパネルの判断についても、日本の主張を認めて取り消しました。

①韓国が業界全体を調査せず、アンチダンピング調査を申請した二社のみのデータを「国内産業」と認定した点が、アンチダンピング協定第3.1条及び第4.1条に整合しないこと 等

https://www.meti.go.jp/press/2019/09/20190911001/20190911001.html
https://www.meti.go.jp/press/2019/09/20190911001/20190911001.html

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ネットの反応

向こうでは、自国の主張が通った、と勝訴の報道をしているそうなのでそう簡単には是正されないんでしょうね。

向こうの報道は、勝訴したと書かれていますが、項目数で勝ったってことですね。
肝心の価格に関しては、日本の勝訴でしたから、韓国の勝ったってニュースは、なんの意味もないのでは?

韓国は10の内9つ勝ったと言ってるけど、日本政府は詳細に、正確に、説明報道して欲しい。

日本=大筋で日本の勝訴
韓国=日本の主張が100%完全に認められたわけではないから韓国の勝訴

 

最後に

韓国が日本製空気圧バルブに不当な関税を課した問題で、WTOは日本の主張を認め日本が勝訴しました。

残念ながら韓国は国際的な約束を守らない国です。

今回の件についても何かと文句を付けて、WTOの是正勧告を受け入れないでしょう。

日韓の問題がまた一つ増えて対立の火種になりそうです。

是正すれば韓国勝訴の嘘が国内にばれることになり、是正しなければ日本からの制裁が待っています。

以上


 

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