韓国向け半導体材料の一部が初の輸出許可、韓国の反応は?

2019-08-08

日本政府は8月8日、韓国向けに輸出管理を厳格化した半導体材料3品目のうち、一部の輸出を許可したことを発表しました。

それに伴い韓国政府も輸出が許可されたことを国内会議で報告しました。

 

日本は当初より輸出規制(禁輸)ではなく輸出管理制度の見直しとしてきました。

今回の発表で申請内容に問題なければ通常通り輸出を行うことを示したことになります。

とはいっても一筋縄ではいかないのが韓国です。現状の韓国の反応を見ていきます。

半導体材料3品目の一部の輸出を許可、厳格化後初

日本政府(世耕経済産業相)は、韓国向けの輸出管理を厳格化した半導体材料3品目の一部で、輸出を許可したことを発表しました。

世耕弘成経済産業相は8日、韓国向け輸出で個別審査を求めている半導体材料など3品目について、審査の結果、一部の輸出を許可したと明らかにした。

引用:産経新聞

半導体材料3品目の輸出管理を厳格化して以降、初の輸出許可になります。

今回の輸出許可については「審査の結果、兵器転用の恐れがないと判断した」ためと述べました。

また輸出許可の発表については、韓国側の「輸出規制(禁輸)」との批判に向けた反論とみられます。

 

菅官房長官も8日の閣議後会見で発表を行いました。

菅義偉官房長官は8日の閣議後会見で、「正当な取引については恣意(しい)的な運用をせず許可を出していることを示した。輸出管理については、引き続き厳格な審査を行い、目的外使用がないよう厳正に対処していく」と話した。

引用:朝日新聞

 

審査期間は3か月(90日)程度かかるとされていましたが、今回の輸出許可は1か月くらいで行われました。

これについては必ずしも90日というわけではなく、輸出先企業との取引期間や実績などを考慮したうえで早まる場合もあるようです。

 

韓国政府の反応

今回の日本の「輸出許可」発表を受け、韓国はどのように反応しているのでしょうか。

韓国政府も今回の「輸出許可」が行われたことを確認しました。

韓国の李洛淵(イ・ナギョン)首相は8日の会議で「日本が輸出規制品目に指定した3品目のうち、レジストの対韓輸出を初めて許可した」と述べ、日本政府による半導体の一部の原材料輸出の許可を確認したことを明らかにした。

引用:産経新聞

 

輸出が許可されたことを明かしたものの、韓国政府としてはコメントを行っていません。

 

>>追記(8/9)

韓国が日本への報復として発表していた「日本を韓国版ホワイトリストから除外する」措置を延期しました。

解説記事
【韓国報復】日本をホワイト国から除外、日本だけの「ダ地域」を新設

続きを見る

8日から除外する予定でしたが、ここにきて日和ったようです。

日本をホワイト国(安保友好国)から除外する措置を延期する案が韓国政府内で議論されている。当初は日本の貿易報復への正面対抗レベルで8日から日本をホワイト国から除外しようとしたが、「ひとまず眺めよう」という慎重論が出ている。

引用:中央日報

措置を延期した理由として2つあります。

理由①

輸出管理が厳格化(個別許可)された半導体材料3品目が、ホワイト国除外によって1000品目に拡大すると思っていたが、半導体材料3品目のままで個別許可品目の追加がされていない。

理由②

半導体材料3品目について「禁輸措置」と思っていたが韓国向けの輸出が許可された。

これらの理由から、今韓国が報復措置を行った場合に、WTOへ日本を提訴した時に韓国が不利になる可能性を考えたとの見方もあります。

 

最後に

韓国向けの半導体材料3品目の輸出管理が厳格化されて以降、初めて輸出許可がされました。

韓国側の「輸出規制(禁輸)」の批判に反論したことになります。

 

日本政府としては当初から管理体制を問題にしていたわけで、ちゃんと申請さえすれば輸出するとしてきました。それが示されたわけです。

そもそも韓国以外の国々は同じ運用体制で問題なく輸出されているわけで、韓国が一人で駄々をこねているだけですからね。

 

今回の輸出許可を受けて今後韓国側がどのような反応を示すのかが注目されます。

とはいっても韓国は後に引けない状況まで勝手に追い込まれていますから、日本批判と報復の路線は変えないと思いますが。

それに韓国国民も「我々の抵抗によって日本が折れた」と精神勝利発言しそうですね。

韓国政府が世論を「韓国勝利」の方向にあおるかもしれません。

 

以上


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