ラグビーW杯で、日本がスコットランドを下し決勝トーナメントに駒を進め、大いに盛り上がっています。
決勝トーナメントを決めた試合は、台風19号の影響で当日まで開催されるか分からない状態でした。
スコットランドは日本に勝つことでしか、決勝トーナメントに進むことができない状況だったため、強く試合開催を求めていました。
スコットランド協会最高責任者のマーク・ドッドソン氏は、「試合が中止になれば、法的措置も考えている」と、ラグビーW杯大会運営陣の方針を非難しています。
法的措置発言でスコットランドの勝ち点がはく奪か?はく奪の影響とは?
この発言を受け、W杯の統括責任者のアラン・ギルピン氏は独立紛争委員会を立ち上げ、発言の問題について審議する方針を打ち出しました。
委員会を立ち上げて審議をするのはW杯始まって以来初めての出来事です。
あまりに異例の出来事から、スコットランドに対してペナルティが課せられる可能性があると、地元記者が語っています。
ペナルティの内容とは、「勝ち点のはく奪」が可能性として挙げられています。
予選ラウンド敗退が確定したスコットランドが、今更勝ち点をはく奪されたところで何か影響があるのでしょうか?
次回W杯の自動出場権が消滅する可能性
次回W杯の自動出場権は、その名の通り、「次回のW杯に自動的に出場できる」権利です。
自動出場権を持っていない国は、予選を勝ち抜いてW杯に出場しなくてはいけません。
次回W杯の自動出場権を取得するには以下の条件が存在します。
メモ
プール戦の各組上位3チームが次回の本大会出場権を手にできるシステム
各プールで上位3位のチームが自動的に次回のW杯に出場できるため、本来であれば、プールAの上位3チーム(日本、アイルランド、スコットランド)が獲得する予定です。
しかし今回のペナルティが実際に執行された場合には、プールAの4位だったサモアの点数を下回る可能性があります。
以下、プールAの試合結果
順位 | 出場国 | 試合数 | 勝 | 分 | 負 | 得失点差 | ポイント(勝ち点) |
1 | 日本 | 4 | 4 | 0 | 0 | 53 | 19 |
2 | アイルランド | 4 | 3 | 0 | 1 | 94 | 16 |
3 | スコットランド | 4 | 2 | 0 | 2 | 64 | 11 |
4 | サモア | 4 | 1 | 0 | 3 | -70 | 5 |
5 | ロシア | 4 | 0 | 0 | 4 | -141 | 0 |
試合の結果から、7点以上の勝ち点がはく奪された場合、サモアが自動出場権を獲得する形になります。
スコットランドは強豪だから予選も余裕でしょ?
仮に出場権が取れなかったとしても、スコットランドは強豪チームなので、高い確率で予選を突破できるでしょう。
しかし、ラグビーというスポーツには怪我がつきものです。
予選で主力選手がケガで長期離脱したりすると、戦力的に大きな痛手となります。
何よりも、ティア1の強豪国であるにもかかわらず、ワールドカップ予選に出場することは、プライドに泥を塗るようなことになりかねません。
最後に
「口は災いの元」とは、まさにこのような状況のことをいうのだなぁと、感じさせられました。
紳士のスポーツとも呼ばれる「ラグビー」で、法的措置を示唆する脅迫のようなことを行うことは、運営側も看過できなかったのでしょう。
いずれにせよ、スポーツマンシップに欠ける行為だったことには間違いありません。
今後の動向に注目していきたいです。