2020年に開催される東京オリンピック競技大会及び東京パラリンピック競技大会では、記念貨幣が開催までに全4回に分けて37種類が発行されます。
発行枚数が少なく抽選販売になるものから、日本全国の金融機関で引換え可能のものまで様々な種類の貨幣があります。
「オリンピック開催の記念として」や「将来、付加価値がついてかも?」などいろいろな理由でほしいと考えているかもしれません。
今回は『将来的に価値が上がる可能性があるか?』について考察してみたいと思います。
検証の材料として過去の事例をもとに考えてみたいと思います。
過去の事例…?、過去のオリンピック…!、そうです。
1998年に開催された「長野オリンピック(冬季大会)」です。
この時にも記念貨幣が発行されています。
そこで、発行された貨幣の種類と発行枚数、現在の取引価格についてまとめたいと思います。
貨幣の種類(長野オリンピック)
種類
長野オリンピックでは、全3回に分けて9種類の記念貨幣が発行されました。
内訳は、一万円金貨(3種)、五千円銀貨(3種)、五百円白銅貨(3種)となります。
各回で各々の貨幣1種類ずつの組み合わせで発行されました。
<第一次発行>
一万円金貨(1種)、五千円銀貨(1種)、五百円白銅貨(1種)
<第二次発行>
一万円金貨(1種)、五千円銀貨(1種)、五百円白銅貨(1種)
<第三次発行>
一万円金貨(1種)、五千円銀貨(1種)、五百円白銅貨(1種)
デザイン
全9種類の記念貨幣デザインは次の通りです。
発行回数 | 一万円金貨 | 五千円銀貨 | 五百円白銅貨 |
第一次 | ※ジャンプ |
※アイスホッケー |
※スノーボード |
第二次 | ※フィギュアスケート |
※バイアスロン |
※ボブスレー |
第三次 | ※スピードスケート |
※パラリンピック・アルペンスキー |
※フリースタイルスキー |
発行枚数(長野オリンピック)
全9種類の記念貨幣の発行枚数は次の通りです。
<第一次発行>
- 一万円金貨 ⇒ 55,000枚
- 五千円銀貨 ⇒ 500万枚
- 五百円白銅貨 ⇒ 2000万枚
<第二次発行>
- 一万円金貨 ⇒ 55,000枚
- 五千円銀貨 ⇒ 500万枚
- 五百円白銅貨 ⇒ 2000万枚
<第三次発行>
- 一万円金貨 ⇒ 55,000枚
- 五千円銀貨 ⇒ 5500万枚
- 五百円白銅貨 ⇒ 2000万枚
当時の販売価格
全9種類の記念貨幣の当時の販売価格は次の通りです。
<第一次発行>
- 一万円金貨 ⇒ 3万8000円
- 五千円銀貨 ⇒ 5000円(額面)
- 五百円白銅貨 ⇒ 500円(額面)
<第二次発行>
- 一万円金貨 ⇒ 3万8000円
- 五千円銀貨 ⇒ 5000円(額面)
- 五百円白銅貨 ⇒ 500円(額面)
<第三次発行>
- 一万円金貨 ⇒ 3万8000円
- 五千円銀貨 ⇒ 5000円(額面)
- 五百円白銅貨 ⇒ 500円(額面)
一万円金貨以外は額面で販売されていました。
現在の販売価格
全9種類の記念貨幣の現在の販売価格を調査しました。
調査には「貨幣販売サイト」と「ヤフオク(落札相場)」を使用しました。
販売価格の算出方法
「複数の貨幣販売サイトの価格」と「ヤフオクの複数の落札相場」より算出します。
※ヤフオク(落札相場)・・・ 終了したオークションで売買が成立したもの。
※コインの窓口、ヤフオク、Amazon、ヤフーショッピングなどの価格
独自に調査した販売価格の相場は次の通りです。
一万円金貨 | 五千円銀貨 | 五百円白銅貨 | |
販売相場 | 70,000~80,000円 | 7,000~7,500円 | 900~1,400円 |
---|---|---|---|
価値の上昇率 | 184%~211% | 140%~150% | 180%~280% |
発行枚数が少なく希少性の高いほど付加価値が付くと考えていたのですが、価格の上昇率でみるとどの貨幣も上がっていることがわかります。
特に発行枚数が非常に多く誰でも入手可能であった五百円白銅貨が最大3倍近くの価値になっているのは驚きです。
とはいっても元の価格が安いため、売却しても大した利益にはなりませんが…。
ただし、複数の貨幣が揃っている場合や、それこそ37種オールコンプリートであったりすれば、さらに付加価値がついてコレクターが高値で欲しがるかもしれません。
注意ポイント
あくまで販売価格の相場です。
専門の買取店などに売却する場合には安くなる場合があります。
また貨幣の状態によっては売れなかったり価格が下がる可能性があります。
※あくまでも個人の調査・考察のため、価格を保証するものではありません。
最後に(結論)
結論から言うと『記念硬貨の価値は将来的には上がります』。
過去の長野オリンピックの事例から見ると発行枚数にかかわらず、1.5倍から2倍、3倍近くまで価格が上がる貨幣もあります。
しかし、元の価格が安く(特に今回は100円硬貨)売却しても大きな利益にはなりません。
あくまでも「将来大きな利益になる」とは考えずに、開催の記念として考えましょう。
全37種コンプリートするとかでなければですが…。
あと、
貨幣は裸のままで保管せずに専用ケースやコインケースなどに保管しましょう。
傷や汚れによって価値が下がってしまいます。
記念貨幣の収納ケースも販売されていますので、そちらを使用するのもおすすめです。
以上