東大阪市で覚せい剤取締法と大麻取締法を違反した犯人が、護送中に逃走する事件が起こりました。
逃走していた大植良太郎被告(42)は11日、大阪市内で犯人の身柄が確保されました。
最近、逮捕後に逃走される事件が相次いでおり、ふと疑問に思ったのが、逮捕後の「逃走」は犯罪になるのかということです。
逮捕後の「逃走」について今回は調べていこうと思います。
大阪で逃走中の麻薬取締法違反者が確保!逃走は犯罪になるの?
結論から言ってしまうと、今回の事件では犯罪となる可能性が高いということです。
逃走罪を詳しく分けると以下のように分類されます。
逃走の罪は,受刑者自らが逃走する罪(①単純逃走罪,②加重逃走罪)と,
受刑者を逃走させる罪(③被拘禁者奪取罪と④逃走援助罪と⑤看守者等逃走援助罪)に分類されます。
引用元:弁護士法人中村国際刑事法律事務所「逃走罪の罪とは」
今回の事件はどの罪が適用されるのでしょうか。
それぞれの罪が適用される状況を見ていきましょう。
①単純逃走罪が適用される状況
「単純逃走罪」とは以下の通りです。
第九十七条「単純逃走罪」
裁判の執行により拘禁された既決又は未決の者が逃走したときは、一年以下の懲役に処する。
この罪は「未遂」でも適用されるため、行動を起こして失敗したとしても罪を上塗りするだけの行為となります。
適用されると最大1年の懲役が科せられることになります。
②加重逃走罪が適用される状況
「加重逃走罪」とは以下の通りです。
第九十八条「加重逃走罪」
前条に規定する者又は勾引状の執行を受けた者が拘禁場若しくは拘束のための器具を損壊し、暴行若しくは脅迫をし、又は二人以上通謀して、逃走したときは、三か月以上五年以下の懲役に処する。
今回の逃走事件では、「加重逃走罪」が適用される可能性が高いです。
大植被告は、判決公判に繰り返し出廷せず、今月7日に保釈が取り消されています。
この状況から、勾引状が執行されていた可能性がある上に、護送車で暴れて逃げ出していることが明らかになっています。
「加重逃走罪」が適用されると、懲役が最低でも3か月、長いと5年となります。
逃走車を提供した知人も逮捕されている
犯人は逃走後、知人の車を借りて逃走を続けていました。
犯人の逃走を手助けしたことで、知人も「犯人蔵匿」容疑で逮捕されています。
「犯人蔵匿罪」について
罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者を蔵匿し、又は隠避させた者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられる(刑法第103条)
犯罪に手を染めていなかったとしても、匿っただけで自身も犯罪者になってしまうので、注意が必要です。
犯人蔵匿罪は重い犯罪であることを自覚しておく必要があります。
最後に
大阪で立て続けに逃走事件が起きており、住民の方々の不安は募る一方です。
事務官の対応は間違っていなかったかなどを現在確認中とのことですが、あまりにずさんな管理だと考えます。
逃走を考える犯人も罪を重ねるだけの行為であることを自覚してほしいです。
ともかく、逃走犯が別の事件を起こさずに確保されて安心しました。