福島県郡山市に位置する、日本百名山にも選ばれている「安達太良山」で死亡事故が起きました。
死亡したのは、埼玉県新座市の無職男性(70)と妻(69)で、高齢者の夫婦です。
山頂付近の登山道で倒れているところを、別の登山客が発見しています。
死因は、「低体温症」とみられており、遭難した可能性が高いとみられています。
「安達太良山」はどの様な山なのか。死亡事故が起こりやすいルートがあるのか等調べていきます。
安達太良山の特徴
安達太良山の特徴
■所在地:福島県福島市・二本松市・郡山市・安達郡大玉村・耶麻郡猪苗代町
■標高:約1,700m
■山の種類:成層火山 (活火山ランクB)
■その他:日本百名山・新日本百名山・花の百名山に選出
新日本百名山は、中高年が登りやすさも考慮されており、比較的登山が容易な山が選出されています。
全体的になだらかな傾斜で、初心者でも登りやすい山となっています。
山にはロープウェイも設置されており、日帰りで登山も可能となっています。
過去には死亡事故が起きていますが、火山有毒ガスによって4名の登山客が亡くなっています。
有毒ガスの事故が起きたルートは現在通行禁止となっています。
死亡事故が起きた登山ルート
今回死亡事故が起きた登山ルートは「奥岳~野地縦走コース」とみられています。
本コースは、公式サイトでは「中級者ルート」として紹介されており、全行程徒歩だと7時間程度かかるルートとなっています。
3つある登山道の中では1番時間がかかるルートですが、初級者向けの山であるため、軽装で行かない限りは死亡事故の可能性は低いと考えられます。
登山客が多くなる時期であるうえに、ルートが複雑であるわけでも無いため、遭難する可能性も低いとされています。
下山ルートも多数配備されているため、体調不良等があれば下山しやすい山となっています。
遭難前の夫婦の動きと、当時の山の様子
安達太良山には山頂付近に宿泊できる小屋が設置されており、この夫婦も宿泊する予定だったそうです。
しかし、午後5時頃に「今日は行けません」と電話があり、救助の要請も無かったそうです。
夫婦はテント等野宿するための道具を持ち歩いていなかったとのことです。
当時、山では雨が降っており、雨に当たって体温が奪われてしまったと考えられています。
山頂付近は樹木がほとんどないため、雨宿り等はできないことも「低体温症」になりやすい要因となってると考えられます。
最後に
山は天候が変わりやすく、準備を入念に行わなければなりません。
安達太良山も初心者向けの山とはいえ、雨が降り標高が高くなるとすぐに体温を奪われかねないです。
秋口は急に気温が下がったりするので、登山の際はより一層注意が必要となってきます。