3大メガバンクの2つである、「三菱UFJ銀行」と「三井住友銀行」が、お互いのATM手数料を無料にするサービスが今日から開始されました。
現金を主に利用する方からすると、手数料を気にせず利用できるATMの数が増えて助かると思う方が多い事でしょう。
しかし、銀行業の方たちは必ずしも喜ばしい状況とは言えないかもしれません。
「三菱UFJ」「三井住友」双方のATMで手数料無料へ。銀行業は衰退か?
ATM手数料無料サービスによるメリットは、利用者だけでなく銀行自体もメリットがあります。
全国に配置されているATMの数を削減することができ、維持費を削減することができるのです。
例えば、都心部だと、駅周辺で「三菱UFJ」と「三井住友」のATMが近くに存在している状況があると思います。
銀行側としては、近い場所のATMを少なくすることで、維持費が削減される形になります。
文面を見ているだけではWIN-WINの関係にあると思われがちですが必ずしもそうではありません。
ATM利用者は待ち時間が増える可能性
銀行側としてはATMの数を極力減らして、ランニングコストを減らしていきたい思惑があります。
ATMの数は減る一方で利用者が減るわけではありません。
つまり、今までは分散して銀行ATMを利用していた利用者が、ATM削減によって一か所に集中してしまう可能性があります。
また、近くに銀行ATMが無かった人たちも、手数料無料となったことで、本来とは異なるATMを利用する方が増え、一極集中が加速する場所も出てくる場合があります。
手数料無料のATMは全てに適用するわけではない
ATM手数料が無料になるのは、全国の2,800か所のATMとなります。
勘違いしている人も多いかと思いますが、全てのATMで適用されるわけではありません。
全国の駅やショッピングセンターなど、人が集まりやすい箇所に設置されているATMに適用されると予想されます。
利用する際は気をつけておかなくてはいけません。
ATM削減の背景にメガバンクの衰退が?
銀行と言えば、世の中では安定している職業だと考えられているでしょう。
しかし、最近はネットバンキングや、キャッシュレス化が進む中で、メガバンクの顧客が減りつつあるとされています。
実際に、ネットバンキングを利用することで、ネットショッピングでポイントが多くついたり、わざわざ銀行まで行って振り込みしなくてもネットだけで振り込みできたりしています。
利用者の選択肢の幅が広がったことで、メガバンクの価値が下がっているように思えます。
キャッシュレス化が進む世の中で、現金利用者が減ってきています。
今になって、メガバンクが手を組むということは、利用者が減ることで手数料で得ていた収入よりも、維持費の割合が増加してきたと考えるのがすじでしょう。
とはいえ、高齢化社会で現金主義の方々はまだまだいる現状、ATMをすべて無くなすことはできないメガバンクとしては、ATMは今後足を引っ張り続ける機械になる可能性があります。
最後に
政府主導でキャッシュレス化を進めていっている今、銀行としての価値は今までとは違う方向に向かって行っています。
メガバンクも新たな動向を察知して、新たなサービスを生み出すことが必要になってくるでしょう。