東京を中心に、人口が多い電車内での痴漢被害はいまだに無くなりません。
そんな中、JR東日本が埼京線を対象に「痴漢通報アプリ」の試験運用をすることが分かりました。
このアプリはどの様な仕様なのかについて調べていきます。
以下、報道の内容
JR東日本は4日、列車内での痴漢防止対策として、乗客がスマートフォンの専用アプリを使って車掌に被害を連絡し、車内放送で注意喚起するシステムの実証実験を、埼京線で行うと発表した。
放送による抑止効果が狙いで、被害の訴えが特に多い埼京線を実験対象路線に選んだ。
JR東によると、実験の第1段階は、2月下旬~3月中旬の午前7~10時の間に大宮―新宿間で実施。社員を含む参加者計25人程度が、痴漢をされたと想定しアプリで連絡する。タブレット端末で把握した車掌は、実験だと前置きした上で、「○号車のお客さまより痴漢の通報がありました」などとアナウンスする。
その後、乗客に放送を聞いた感想や不快に思わなかったかなどを尋ねるアンケート調査をする。
引用元:時事通信
「痴漢通報アプリ」の仕様について
JR東日本が試験運用する「痴漢通報アプリ」の仕様は以下の通りです。
ポイント
①乗客がスマートフォンで痴漢被害を通知
②車掌側のタブレットが、通知を受信し、どの車両で痴漢があったかを把握
③車内放送で特定した車両番号と共に被害があった旨を乗客に伝える
④最寄り駅で駅員や警察と連携し、場合によっては通報
車内放送で呼びかけを行うことで、乗客間で警戒度を上げることが目的でしょう。
また、車両も特定されているので、犯人の特定がしやすいという利点もあります。
痴漢被害に悩む女性としては、非常に心強いでしょう。
気になる点について
一方で、痴漢通報アプリの気になる点について考察してみます。
ざっと考えてみて5つの気になる点がありました。
①冤罪の増加
②いたずら通報
③電車の遅延
④痴漢被害以外でのりよう
⑤車掌の仕事増加
①冤罪の増加
恐らくこの記事を見た方は、誰しもが思う危険性でしょう。
手軽に通報できてしまうからこそ、電車が揺れて体の一部が触れてしまった場合でも通報される可能性があります。
通報はあくまで被害者に一任されていますので、身に覚えのない痴漢が増える可能性があります。
場合によっては、気に食わないから通報する輩が出てきてもおかしくありません。
②いたずら通報
アプリをダウンロードした利用者が悪用し、いたずら目的で通報する場合もあると考えられます。
愉快犯もいないとは限らないので、可能性は十分にあります。
③電車の遅延
通報があれば、犯人特定が行われることが予想されます。
これにより、最寄り駅で電車が一時停止することが考えられます。
通勤時間帯は今でも超満員なので、より一層乗車率が上がるかもしれません。
④痴漢被害以外での通報
例えば、嫌がらせで通報してみたり、クレームを入れるために通報する人が出てきてもおかしくないです。
目的以外で時間を取られる危険性もあるでしょう。
⑤車掌の仕事増加
車掌側も通報が無いか常に確認する必要が出てきます。
車内放送、通報後の対応も新たな仕事として加わることでしょう。
最後に
痴漢を無くすためにいろいろな対策をすることは非常に良いことです。
一方で、冤罪被害があることも間違いないでしょう。
冤罪なく痴漢を無くすことは本当に難しい問題でしょう。
男性が利用した場合、きちんと痴漢として対応してくれるのかも疑問ですが・・・。