高校受験、大学受験を受けた人ならば、一度は経験したことがある「模試」
インターネットが普及したこの世の中では、模試の存在意義を壊す行いが横行しています。
ネットフリマアプリ「メルカリ」で模試の問題が売られているのです。
標的となったのは、ベネッセが実施している、『進研模試』です。
メルカリで売られている原因と、模試への影響をまとめていきます。
進研模試の問題がメルカリで買える時代に。影響と危険性について。
結論から言うと、模試自体の意味を壊してしまう可能性があります。
影響範囲は全受験者までにおよびます。
なぜ模試の問題が買えるのか
進研模試は全国で同じ日に行われるわけではなく、地域ごとに開催時期がずれます。
その時間差を利用して、先に模試を受けた人が、模試の問題を売るわけです。
極端に言えば複製すればいくつでも模試を作ることができます。
極論、漫画や雑誌を複製して売っているのと同じ行為です。
(もしくは転売ヤー)
模試の意義
模試を受ける意味は以下の通りです。
①現在における自分の位置を確かめることができる
②自分の勉強における穴を発見することができる
③他の受験生と一緒に模試を受けることによって試験本番の雰囲気を味わう
引用元:東進ハイスクール吉祥寺校オフィシャルサイトのブログより
①現在における自分の位置を確かめることができる
模試とは「試験本番を模した」テストです。受験者全員が平等の立場で受けることで、自分の全国レベルを数値としてみることができます。
つまり、自分が志望校に受かるために十分な学力を持っているかを確認できる場です。
②自分の勉強における穴を発見することができる
自身の解答が間違っていた場合は、そこを復習する必要があると、確認できます。
模試の問題は過去の試験を元に傾向等を掴んで出してくるため、本番の試験で同じような問題が出たりすることもあります。
③他の受験生と一緒に模試を受けることによって試験本番の雰囲気を味わう
受験生たちは、自分の学力を知るために、全力で模試に取り組んできます。
その緊張感は、本番には劣るものの、本番さながらの雰囲気を感じることができます。
雰囲気にのまれ、実力どうりの結果が出せない方もいます。雰囲気を予習するといった意味合いでも、模試は使えます。
ネットで模試を買った時の模試への影響
ネットで模試の問題を買って、受けたときの影響は、悪い方向にしか働きません。
一時的に点数が伸びたように思えますが、そこで得た知識は所詮短期記憶にしか残りません。
さらには、模試の意義をすべて潰すことになります。
①現在における自分の位置を確かめることができる
事前に問題を知っている以上、点数が良くなるのは当然です。
全国的な順位も上がったように見えるでしょう。
しかし、模試本来の意味である、自分の学力の現状を知る上では何の役にも立ちません。
②自分の勉強における穴を発見することができる
問題を知っている以上、本来の実力では分からなかった問題も一時的に解けてしまいます。
しかし、その解答はあくまでも暗記しているだけなので、知識として定着しません。
自分に不足している知識が分からず、本番までにどこを勉強すればよいか分からなくなります。
③他の受験生と一緒に模試を受けることによって試験本番の雰囲気を味わう
出てくる問題の内容を知っているので、緊張感は他の受験者に比べてないでしょう。
本番の雰囲気を感じることができずに、いざ本番で実力を出せなくなったりする可能性があります。
ネットで模試を販売する危険性
今回の模試販売は手口が簡単で、誰でもできます。
それ故に、模試販売の犯罪が後を絶えません。
はっきり言って、このような事例は犯罪と言っても過言ではないでしょう。
ベネッセ側としては、自社が提供している試験問題を使って、他人が儲けているということになります。
最悪の場合、訴えられても文句は言えないでしょう。
メルカリ等はアカウント作成時に自身の個人情報を入力しています。
ベネッセが訴えて有罪判決を受ければ、個人情報の提供は容易に行えるでしょう。
「みんながやっているから自分もやった」といった言い訳は通用しません。
親の金を使って無意味なことをしないように
上で説明したように、模試を購入する意味は無いです。
むしろ悪影響しかないので、購入はやめておきましょう。
模試を購入する人が増えれば、模試としての意義が無くなります。
ベネッセ側としては、自社の模試を無意味なものにされ、信用すらも失う可能性があります。
今後、法的措置を取られる可能性もあります。
模試の意義を理解しておくことが重要です。
模試の意義を理解していれば、ネットで問題を購入するといった行為がいかに愚かか分かると思います。